第3回 初めての中ホール

2007年12月1日、浜松市楽器博物館のコンサート「18世紀ヴェルサイユ・クラヴサン音楽の美の世界」が行われました。主役は皆さんもご存知の「ブランシェのチェンバロ」。この楽器が初めて楽器博物館の建物の外に出て行われたコンサートです。


アクトシティ浜松中ホール

コンサートが行われた場所はアクトシティ浜松中ホール。浜松市楽器博物館のすぐお隣、徒歩5分もかからない距離にあります。クラシック音楽のために音響設計された、浜松ならではのコンサートホールです。浜松国際ピアノコンクールなど多彩なイベントが行われています。特徴的なのが、ステージの背面に設置されている大きなパイプオルガン。4年の歳月をかけて製作され、なんと4500本近くのパイプがあるそうです。


運搬

ブランシェ初の「お出かけ」はコンサート前日に行われました。美術品専門の運搬業者に依頼しての大仕事です。なにせ250歳以上の高齢ですから、湿度が少し変わっただけでも木の具合など部品に影響が出て、音色が狂ってしまいます。温度・湿度など厳密に管理されたトラックに積み込み、お隣のホールに運び込むのに、なんと3時間以上もかかったそうです。


会場についてから

無事に会場にたどり着いたものの、ブランシェはうまく鳴ってくれませんでした。「急にこんなところにつれてきて、何をするのか」とびっくりしてしまったのではないかな、と嶋館長。楽器は生きているのだそうです。他の楽器でも、使われている材料によっては、少しの湿度の違いでチューニングが変わることがあります。製作されて250年以上たったブランシェともなれば、環境に慣れるのにも時間がかかりそうです。少しでも良い音をお客さんに届けるため、ブランシェが「気に入る」場所を探して、ステージ上の配置までも慎重に決められました。細かい調整の甲斐あってか、次の日の朝にはブランシェもだいぶ鳴ってくれるようになっていました。

ブランシェのチエンバロ

そして・・・

本番。中ホールに集まったお客さんの前で、ブランシェは見事素晴らしい演奏を聞かせてくれました。その背景にはスタッフの皆さんによる数々の苦労があったのです。コンサートを成功させた細かい気配りは、ブランシェのことを何年も見守ってきた経験があったから可能だったのではないかと思います

この様子はNHKの「クラシック倶楽部」という番組の中で紹介されました。コンサート本番はもちろん、調律やリハーサルの様子なども密着して取材されています。今でも再放送が行われているようです。DVDと併せてご覧ください。

ブランシェのチエンバロ

« 音楽雑学ブログ 一覧へ