第8回 ”長唄”って何? ”長唄三味線”ってどんなもの?

本DVDの第4巻「長唄三味線」が発売されました!
第3巻「津軽三味線」に引き続き、”三味線”です。

そこで今回は、日本音楽のルーツである長唄について
「今さらちょっと人に聞けないぞ・・」 という基本情報をご紹介します。
これであなたの日本人品格UP! 間違いなしです! (^-^)

受け継がれてきた江戸文化

長唄は、17世紀末頃(この頃の江戸幕府将軍は、第5代 徳川綱吉(在任:1680-1709年))、江戸に生まれた歌舞伎音楽です。
元々は、歌舞伎役者のセリフに合わせて唄や三味線演奏で情感を表現したり、お囃子の太鼓で雨・風音を表現したり、幽霊の出るドロドロとした効果音を出したりと、様々な効果音を演奏する、BGMの役割をしていました。
それが幕末になると、「お座敷長唄」という純粋に演奏用としての長唄が作曲され、明治以降には歌舞伎から独立・発展し、狂言、浄瑠璃、流行歌、民謡、洋楽など、さまざまな要素を取り入れながら現在の姿へと成長してきました。

長唄は、約380年程の歴史の中で多様に発展を遂げた、まさに日本伝統音楽の集大成なのです。


長唄の種類

長唄は、演奏する場所によって2種類に分けられます。

所作音楽(出囃子:でばやし)

歌舞伎舞踊などで行われる、長唄やお囃子の演奏者が舞台正面奥の雛壇にずらりと並んで演奏すること。

下座音楽(黒御簾:くろみす)

舞台下手の黒い御簾がかかっている小部屋で演奏される、歌舞伎のBGM。


出囃子と黒御簾

長唄の構成

長唄は、唄と長唄三味線、お囃子(小鼓、大鼓、太鼓、笛などで、鳴物【なりもの】ともいう)の3パートで演奏されます。
その3パートの演奏形態は、下の3種類に分かれます。

・唄

演奏者のほとんどが伴奏をし、数人で唄を唄うもの。
独吟(一人)と両吟(二人)がある。
伴奏抜きで唄のみのものは、素唄(すうたい)という。

・合方

三味線演奏のみで演奏され、唄はない部分。
地歌・長唄・端唄のそれぞれの場面のつなぎ部分や、
純鑑賞曲として作られた合方曲もある。

・鳴物

単独で演奏したり、長唄連中と一緒に演奏することもある。
一定のリズムで演奏する曲や、舞台の状況や役者に合わせた見計とがある。

楽曲数は大変多く、現在でも次々と新曲が作曲されており、1曲の長さは短いもので1~2分、長いもので50分以上の曲もあります。


曲の構成は、物語のように「起承転結」があります。

1. 置き(おき)
置唄(おきうた)
情景や場面をイメージさせる、物語のプロローグ部分。
人物はまだ登場せず、無人で唄を聴かせる、前奏にあたる。
2. 出(で)
出端(では)
道行(みちゆき)
登場人物が現れる際の伴奏。
人物の役柄、状況の紹介をし、物語が本題に入る。
3. 口説
(くどき:恋愛物)
語り・物語
(かたり・ものがたり:戦闘物)
ゆっくりとしたテンポで心の内を切々と語る、
曲中で重要な部分であり、唄方にとって一番の聴かせどころ。
4. 踊り地(おどりじ)
太鼓地(たいこじ)
アップテンポで、賑やかな鳴物が入った手踊り、総踊りなどが踊られ、華やかな曲調に変化。
5. 散らし(ちらし)
段切(だんぎれ)
一段が切れる、つまり一つの演目が終わるという物語のエピローグ部分で、見得や花道の引っ込みなどを演出する。
この部分は、どこの流派でも大概同じような様式で演奏される。

長唄三味線

三味線は、大きく分けて棹の太さにより、細棹(長唄、荻江)、中棹(清元、常磐津、新内、一中、地歌、小唄、端唄)、太棹(義太夫、津軽)の三種類があります。 (民謡や現代邦楽の世界では、長さを短くした短棹もあります。)

長唄三味線は、棹は「細棹」、胴は一番小さくて軽いものに猫または犬の皮を張り、糸は絹を使用しています。繊細で美しい高音を出すことができ、明るく華やかな音色に特徴があります。
太棹に比べて音量は小さく、唄を引き立たせるような作りになっています。



伝統を受け継ぎながらも柔軟に発展してきた長唄。
そんな長唄そのままに、伝統的な三味線手法を取り入れながら、 聴かせる、笑わせるパフォ-マンスの「伝の会」のお二人による演奏、解説がぎっしり詰まった本DVD4巻。
きっと世代を超えてお楽しみ頂けることと思います。


« 音楽雑学ブログ 一覧へ