第13回 楽器博探訪 その1 浜松市楽器博物館はどんなところ?

楽器の世界コレクションDVDは、浜松市楽器博物館の公式DVDとなっています。
そこで、今回は楽器博物館を取材し、嶋館長とスタッフの方に楽器博物館やチェンバロについてなどを伺って来ました。2回に分けてご紹介しますので、どうぞお楽しみください。


浜松市楽器博物館は、「世界の楽器を平等に展示する」というコンセプトで運営していらっしゃるとのことですが、「世界の楽器を平等に展示する」というのはどういうことでしょうか?

嶋館長:「楽器」という言葉で思い起こすのは、日本の楽器屋さんに売っているもの、ブラスバンドとかオーケストラで演奏されているもの、趣味で習っているものなどでしょうか。
だいたいは西洋楽器です。もちろん日本の楽器もありますが、アメリカも含めて、日本とヨーロッパの楽器がほとんどですね。

浜松市楽器博物館 嶋館長
   浜松市楽器博物館
    嶋 和彦 館長
けれども世界において、日本とヨーロッパ以外の楽器のほうが、実は何十倍も何百倍も多いんです。この楽器博物館には、地球のいろいろなところの楽器があります。いろんな楽器があるということは、いろんな音があって、いろんな音楽があるということです。

たとえば料理は、世界中のレストランがあるからその料理を楽しめるけど、音楽というのは、今の日本では割とヨーロッパばかりに偏っています。
けれど、そうじゃないものがいっぱいあるよというのがここで分かるようになっています。わざわざ飛行機に乗ってアフリカに行かなくても、ここで、まずは見れる。まずは録音で音が聴ける。

そしてそれが気に入ったなら、今度は本当に自分で見に行ったり、買いに行ったりすればいいわけです。ここは、世界の音楽と楽器の入り口、出会いの場です。
世界中の楽器を、地域の偏りなく平等な規模で展示・解説しています。日本でそのような場は、ここ浜松の楽器博物館しかないのですね。


楽器博物館が来館者の方に伝えたいことは何でしょうか?

嶋館長:重複しますが、世の中には自分たちが知らない音楽や楽器がまだまだたくさんある、ということぜひ知ってほしいですね。
クラシックは苦手だけど、アフリカ音楽は好きだという人もいるわけですが、ここはそういう人もいろんな自分の好きな音楽に出会える場です。貴重な場所ですので、ぜひ試しに来てみて下さい。


楽器の世界コレクションDVDについて、シリーズを通して伝えたいことは何でしょうか?

嶋館長:楽器イコール音楽じゃないですよね。もちろん楽器という物は、音楽を演奏することが一番大きな目的ですから、あくまでも音を出す、メロディーを演奏する道具です。
けれども、音を出さなくても、楽器にはそれぞれ形や色・デザインなどがあって、時には楽器そのものが神様であったり、お祈りする道具だったりするわけです。
ですから、楽器というのは単なるただの使い捨ての道具ではないということが、世界を見ればよく分かるんです。楽器は大切で、粗末にしてはいけないものだということですね。


浜松市楽器博物館紹介

浜松市楽器博物館は国内初の公立の楽器博物館で、2015年4月には設立20周年を迎えます。楽器実物資料だけでも3,000点を超える所蔵数を誇り、さまざまな楽器を各コーナーに分けて展示しています。


まず1階はアジアのコーナーです。なじみの薄い楽器も含め、いろいろな地域の楽器が展示されています。
入り口を入ってすぐ正面では、華やかなインドネシアの「ガムラン」が迎えてくれます。
ガムランは大小さまざまな打楽器の総称で、現在も盛んに演奏され、世界無形文化遺産に登録された伝統影絵芝居「ワヤン・クリ」にも使われています。

アジア
第1展示室(1階)アジア
日本
第1展示室(1階)日本


天空ホール
天空ホール(地階)

階段を下りてすぐには、天空ホールがあります。鳥型反響板も設置され、館主催の少人数のコンサートなどが数多く開催されています。

中央に展示されているのはバヌアツの「タムタム」という、世界最大の儀式用割れ目太鼓です。
おっとりとぼけた愛らしい顔で、来館者を見守ってくれています。


地階には、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、オセアニアの楽器のコーナーがあり、それぞれのコーナーが平等な目線で展示されています。
さらに、鍵盤楽器のコーナーが別に設けられています。楽器博物館所蔵の鍵盤楽器はなんと70点余もあり、広いスペースにピアノがずらりと並んでいる様は圧倒されます。
さすがピアノのまち浜松です。ほかに電子楽器や国産洋楽器のコーナーもあります。


ヨーロッパ
第2展示室(地階)ヨーロッパ
アフリカ
第2展示室(地階)アフリカ

アメリカ
第2展示室(地階)アメリカ
オセアニア
第2展示室(地階)オセアニア


その他、体験ルームやレファレンスコーナーもあります。


体験ルーム
体験ルーム(1階)
レファレンスコーナー
レファレンスコーナー(1階)


じっくり見ていくといろんな発見があるので、ぜひ楽器博物館に来てたくさんの楽器を見てくださいね。
取材した午後にいらした男性のお客様は、「朝から来ているけど、なかなか見きれないくらいいろいろ見るところがあるね」とおっしゃっていました。



インタビューに熱心に答えてくださった嶋館長、どうもありがとうございました。

次回は、「楽器博探訪 その2 チェンバロの音とピアノの音」です。
チェンバロとピアノの実演もありますので、こちらもぜひご覧ください。


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